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2013年4月28日日曜日

伊藤喜平村長 ~長野県下條村

伊藤喜平村長 ~長野県下條村 行政の心構え この梅雨どきの不快指数が高いなか、政治の世界も不快指数が高い状況にある。党利党略・自己保身・権力の奪い合いばかり、政治には志が高く筋が通ったものがないと困る。 行政というのは、調子が悪いと人のせいにしたり、出来ない理由を並べて逃れようとする傾向があり、今まできちんと見直しをしてこなかった。無責任で、前例踏襲、ノーチャレンジ・・・、このようなことが行政の肥大化を生んでしまった。 皆さんには、このような時代の中で何ができるかという発想で、一歩でも二歩でもいいから前に踏み込んでいく勇気を持ってもらいたい。今の世の中は先行きが不透明で、やる前から100%答えがわかっているというようなことはない。55:45でも良いと思ったら挑戦してもらいたい。”できない理由”を並べたてることは絶対にやってはいけない。市民の皆さんから集めた税金から給料をもらっておいて何もしないというのは”犯罪”である、ということを認識しておいてもらいたい。 下條村は明治22年に睦沢村(むつざわむら)と陽皐村(ひさわむら)が合併し、以後120年間単独村として今に至っている。昭和の大合併の際に、隣村との合併話が持ち上がったが、結局合併には至らなかった。結果的にこのおかげで、今の下條村の適正な規模を守ることができ、大英断だと思っている(平成の大合併の際にも”下條村自立(律)宣言”し、合併しなかった)。そもそも、下條村がある「飯田・下伊那地域」は1市17町村あり、その総面積は1,929㎢と香川県や大阪府よりも大きく、そのうえ林野率は86%と非常に高い。 国の政策は”最大公約数”で決まる。これが一番の問題。さらにその1つの答えを決めたら、それをどんどん進めてしまう。例えば、”人口1万人”と言っても、東京の1万人と下條村の1万人とでは全然違う。基礎的な条件が全然違いすぎる。それを無視して現実を知らない国の役人が机上で政策を決めている。 村長に当選して 村長になった当時、村の一番の問題は過疎化。人口が減るということは、”ユーザーが減る”、”集落が保てなくなる”ということを意味しており、これを何とかしないといけないと思った。 1. 職員の意識改革(まず隗より始めよ) まず取り組まなければならなかったのが、”職員の意識改革”。今まで”仲良しクラブ”でのうのうとやってきた職員の意識を変えるため、最初の5ヶ月間は職員のやることに対して事細かに指示を出した。 次に、あえて予算編成で忙しい時期を狙って、職員をホームセンターに派遣して、物販の現場で研修を受けさせた。職員にとっては”こんな世界もあるのか”という驚きもあり、お金を稼ぐということの難しさや民間の厳しさをわかってもらうことができた。この様子がテレビなどマスコミでも取り上げられ、うかうかしていられないということで職員の意識も大きく変わった。真剣に考えれば可能性は無限に広がり、頭は使えば使うほど良くなるのであり、そのためには”目的意識”と”責任感”を明確に持たせることが重要である。 職員が100人いれば100人なりのやり方で仕事をするし、人数が30人ならば30人なりのやり方で仕事をする(パーキンソンの法則)。このような意識改革を経て、職員数を59名から35名へ減らすことができたが、職員は生き生きと一生懸命に働いてくれている。 2. 資材支給事業(住民の意識改革) この事業は、「地域住民の生活環境の整備にあたり、村は資材を提供するだけで住民自らが施工する」というもの。当初「あそこの道をよくしてくれ」という地域からの要望に対して、「行政に頼らず自分たちでやってくれ」ということに対する批判もあったが、「いくら言っても村長は聞いてくれない」という事がわかった1つの地区が取り組んだことがきっかけで、他の地区にも競い合うように広がっていった。 この事業をすることで財政的に助かったということもあるが、自分の住む地域のことを良くしようという意識が住民の中に根付いたことも大きかった。 3. 合併処理浄化槽(コスト意識と意思決定) 当時国や県は公共下水道や農業集落排水を推進していたが、その建設コストは当時の積算で約45億円かかるとのことだった。そのうち、半分は国・県の補助があったが、残りの約22.5億円も30年で償還すると1年あたり約1.5億、結局村の負担の合計は45億円になることがわかった。また、これとは別にランニングコストもかかることなどから、国や県の意向に反して合併処理浄化槽1本で事業実施することに決定した。 平成2年から15年までの14年間の村の負担は約2億円で済んでおり、また、自分で管理するという意識も芽生えている。同じサービスを受けるのに”45億円かかる方”と”2億円かかる方”のどっちをとるかということから、村民にコスト意識を高めるきっかけとなった。 浮いたお金を何に使ったか 現在、国は10年間の予算に相当する借金をしているが、下條村では年間予算相当分の貯金をすることができている。(財政力指数は上昇傾向にあるものの0.2強であり決して良くないが、経常収支比率は72.1%であり、この経費を村営住宅の建設や子育て支援に充てることができている。) 【具体的な取組み】 ① “子どもがいる”、または”これから結婚する”若者に入居者を限定した、家賃36,000円の村営住宅を10年間で10棟124戸建設 ② 幼児から中学生までの医療費の無料化 ③ 平成19年・20年で保育料を10%ずつ引下げ、低所得者はさらに10%引下げ 【成果】 村の人口は、平成7年の4,000人から現在では4,200人まで増え、出生率は2.04まで上昇した(全国平均1.34) 村づくりは人づくり 現在の組織の中にあって、教育は中立すぎてなかなか首長の思う通りの教育ができない(教育長は欠員)。村内唯一の中学校では、子どもたちに”目的意識”と”ガッツ”を植え付けるため、勉強も大いにやる代わりに部活動も徹底的にやるようにお願いしている。実際、スポーツに一生懸命取り組む子は勉強も頑張っているようだ。 また、故郷を良く知ることにより郷土愛を育てることができると考え、生徒会議会では子どもたちに村の課題について徹底的に調べさせ意見を出してもらう。村もそれに対してきちんと答え、施策に反映させている。このようなことを通じて、村の実態を理解し実社会で役に立つ勉強となっている。そこに物があるから見えるのではなく、見ようとするから見えるのである。そのような場を子どもたちに提供している。 最後に伝えたいこと 自治体職員である皆さんには、国は頼りにならないのだから、自分の足元をしっかりと固めてほしい。近き者喜べば遠き者来たるという言葉があるが、10年先のことを考えるよりも、今できることをしっかりやること。この嵐の中を突き進む勇気を持って、道を自分で切り拓いていってもらいたい。

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